B001-2-12 外来腫瘍化学療法診療料の通知の解説と、疑義解釈等をまとめていきたいと思います。
1.点数
B001-2-12 外来腫瘍化学療法診療料
1 外来腫瘍化学療法診療料1
イ 抗悪性腫瘍剤を投与した場合 700点
ロ 抗悪性腫瘍剤の投与その他必要な治療管理を行った場合 400点
2 外来腫瘍化学療法診療料2
イ 抗悪性腫瘍剤を投与した場合 570点
ロ 抗悪性腫瘍剤の投与その他必要な治療管理を行った場合 270点
2.通則
注1
外来腫瘍化学療法診療料を算定する場合、初診料、再診料、外来診療料、がん患者指導管理料のハ又は在宅自己注射指導管理料は別に算定できません。
関連する疑義解釈など
※初診料、再診料、外来診療料の乳幼児加算、時間外加算、休日加算、深夜加算、小児科を標榜する医療機関において6歳未満の乳幼児を診察した際の時間外加算、休日加算、深夜加算は別途算定可能です。
※外来腫瘍化学療法診療料を算定する患者で、この管理料を算定しない日に受診があった場合は、初診療、再診料、外来診療料の算定が可能です。
※外来腫瘍化学療法診療料を算定している患者が、この診療料を算定する日に、化学療法を行っている悪性腫瘍以外の病名で同じ医療機関の他の診療科を受診した場合は、初診料、再診料、外来診療料の(同一日複数科受診)の点数が算定できます。
※外来腫瘍化学療法に関連しない傷病に対して在宅自己注射指導管理を実施する場合は、別に在宅自己注射指導管理料が算定できる。外来腫瘍化学療法に関連する場合は、在宅自己注射指導管理料の算定はできません。
※外来腫瘍化学療法を算定する患者に対して、この管理料を算定しない日でもがん患者指導管理料は算定できません。
注2
外来腫瘍化学療法加算1,2の「イ」については、抗悪性腫瘍剤を投与した場合に月に3回算定できます。
注3
外来腫瘍化学療法加算1,2の「ロ」については、「イ」を算定する日以外の日に、抗悪性腫瘍剤の投与その他の必要な治療管理を行った場合に週に1回算定できます。
関連する疑義解釈など
※抗悪性腫瘍剤の投与が月3回を超える場合も、週に1回であれば外来腫瘍化学療法加算1,2の「ロ」は算定できます。
※外来腫瘍化学療法診療料を算定している患者が、化学療法を行っている悪性腫瘍以外の病名で受診をした場合は「ロ」の算定はできません。「ロ」は化学療法を実施している悪性腫瘍、化学療法に伴う副作用について受診した場合に算定できます。
※週1回を超えて、外来化学療法の実施中の副作用による予定外受診等の必要性がある場合は、再診料等を算定する。
注4
退院の日から起算して7日以内に行った治療管理の費用は、入院基本料に含まれます。
注5
15歳未満の小児には、小児加算として200点を加算でます。
関連する疑義解釈
※月の途中で15歳になった場合、誕生日以後の受診については小児加算が算定できません。
注7
バイオ後続品を使用した場合は、初回使用した月から起算して3月を限度に、月に1回、バイオ後続品導入初期加算として150点を加算できます。
関連する疑義解釈
※すでにバイオ後発品を使用していて、先行バイオ医薬品が同一の別のバイオ後発品に変更した場会は、バイオ後続品導入初期加算の算定はできません。先行バイオ医薬品が異なるバイオ後発医薬品を新たに使用した場合は、バイオ後続品導入初期加算が算定できます。
※初回処方日から3か月以内に転医し、転医先で同じバイオ後発品を処方した場合は、バイオ後発品導入初期加算は算定できません。
※初回月にバイオ後発品導入初期加算を算定していなくても、2月目以降に要件を満たす場合は算定できます。ただし、初回月から起算して3か月を限度とします。(例:入院中に初めてバイオ後続品を使用し、退院後に2月目の使用となる場合等)
また、入院中に抗悪性腫瘍剤の初回投与を行っている場合、同じサイクル(クール、コースと同義)の期間中は、外来腫瘍化学療法診療料は算定できません。次のサイクルから算定できるため、入院中に初回の投与を行う場合は注意してください!
3.通知
(1)外来の悪性腫瘍を主病とする患者に対して、注射による外来化学療法を実施、その他の治療管理を行った場合に算定できます。
(2)外来腫瘍化学療法診療料1,2の「ロ」は、化学療法のレジメンの期間内に治療に伴う副作用等で来院した患者に診察(視診、聴診、打診及び触診等の身体診療を含む)の上、必要に応じて検査、投薬等を行う体制を評価したものです。
(3)患者の十分な理解が得られない場合、患者を除く家族等にのみ説明を行った場合は算定できません。
(4)外来化学療法に係る専用室で抗悪性腫瘍剤の注射を行うこととなっています。
(5)電話等による緊急の相談等に対して24時間対応できる体制を確保するために、電話番号、緊急時の注意事項について文書を提供します。
(6)外来腫瘍化学療法診療料1は、医療機関で実施されるレジメンの妥当性を評価し、承認する委員会(他医と連携し共同で開催する場合を含む)で承認されたレジメンを用いたときのみ算定できます。
関連する疑義解釈等
※抗悪性腫瘍剤とは、薬効分類上の腫瘍用剤を指します。
※外来腫瘍化学療法診療料1,2の「ロ」について、検査、投薬などを行わない場合でも算定できますが、診察は必ず行う必要があります。
※外来腫瘍化学療法診療料1,2の「ロ」の「副作用等で来院した患者」とは、副作用で来院した患者と副作用チェックのために来院した患者の両方が含まれます。
※副作用により化学療法の投与間隔の延長があった場合は、レジメンの期間内としてよい。
この記事は、通則、通知、疑義解釈をまとめたもので文字が多いですね・・・。
レセプト作成時にここをおさえれば大丈夫!というものもまとめてみました!
この記事の後に読んでいただけると、理解が深まると思います。
よろしければ、↓の記事も読んでいただけると嬉しいです。
コメント
外来腫瘍化学療法診療料を算定してる日の二類感染症入院療法加算の算定はできるのでしょうか
院内トリアージ料の算定はいかがでしょうか
お問い合わせありがとうございます!
外来腫瘍化学療法診療料を算定している日でも、対象となる患者さんには二類感染症患者入院診療加算(外来診療・診療報酬上臨時的取扱)と院内トリアージ実施料(診療報酬上臨時的取扱)は算定できます。
ただ、ここで注意が必要な点は、
二類感染症患者入院診療加算(外来診療・診療報酬上臨時的取扱)は、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を外来診療した際に算定できる。
院内トリアージ実施料(診療報酬上臨時的取扱)は、新型コロナウイルス感染症の患者、もしくは新型コロナウイルス感染症が疑われる患者に対して算定できる。
ということです。
算定要件が若干異なるので注意してください!!