[ここだけおさえよう]外来腫瘍化学療法診療料の算定

　外来腫瘍化学療法診療料の通則・通知・疑義解釈を整理して理解するのは大変ですよね・・・。

以前、外来腫瘍化学療法診療料の記事を書いたのですが文字、文字、文字・・・で読むのが大変だったと思います。すいませんでした！

そこで、レセプト請求する際にここだけおさえていれば何とかなる！という部分だけを抜粋して、できるだけ簡単に、わかりやすく解説していきます。

算定間隔

　外来腫瘍化学療法診療料には、「イ　抗悪性腫瘍剤を投与した場合」と「ロ　抗悪性腫瘍剤の投与その他必要な治療管理を行った場合」がありますが・・・

・「イ」は月に3回

・「ロ」は週に1回（「ロ」を算定する日以外）

　3回までは「イ」の点数を算定できますが、3回を超えた場合は「ロ」を週に1回算定できます。

　副作用等の診療が週に2回以上行われた場合、1回は「ロ」が算定できますが、2回目以降は再診料を算定します。

・月4回以上抗悪性腫瘍剤を投与する場合

・化学療法に伴う診療（副作用についての診療等）を行う場合

※副作用に対して診察を行えば算定できます。診察の結果、検査、投薬を行わなくても算定できます。

※副作用で来院した患者と副作用チェックのために来院した患者のどちらも算定できます。

・初診料、再診料、外来診療料
※外来腫瘍化学療法診療料と同日は算定できません。
※乳幼児加算、時間外加算、休日加算、深夜加算、小児科標榜医療機関の乳幼児に対して算定できる時間外加算、休日加算、深夜加算は別途算定可能です。

・在宅自己注射指導管理料
※外来腫瘍化学療法に関連しない傷病に対する自己注射の場合は算定できます。

・がん患者指導管理料　ハ
※外来腫瘍化学療法を算定している月は、この管理料を算定しない日でもがん患者指導管理料の「ハ」は算定できません。

　外来腫瘍化学療法診療料を算定する日に、他の疾患で他の診療科を受診する場合は、初診料、再診料、外来診療料の（同一日複数科受診）を算定します。

　退院の日から起算して7日以内に行った治療管理の費用は、入院基本料に含まれるため別途算定できません。

・算定できる場合
1/3　退院
1/9 　外来腫瘍化学療法診療料
※退院の日から起算して７日経過しているため、外来腫瘍化学療法診療料が算定できます。

・算定できない場合
1/3　退院
1/6　外来腫瘍化学療法診療料
※退院の日から起算して4日しか経過していないため、外来腫瘍化学療法診療料は入院基本料に含まれます。算定できません。

　15歳未満の患者には、小児加算（200点）を加算できます。

　月の途中で15歳になったら、誕生日以降は小児加算の算定はできません。

　バイオ後発品を使用した場合は、初回使用した月から起算にて3月を限度に、月に1回バイオ後続品導入初期加算（150点）を算定できます。

　バイオ後発品を使用している患者が、先行バイオ医薬品が同じ他のバイオ後発品に変更した場合は、この加算を算定することができません。

　バイオ後発品を使用している患者が、先行バイオ医薬品が異なるバイオ後発品を新たに使用した場合は、この加算を算定することができます。

　バイオ後発品の初回処方日から3月以内に転医し、転医先で同じバイオ後発品を処方した場合はこの加算を算定できません。

　入院中にバイオ後発品を初めて使用し、退院後もバイオ後発品をした場合はでもこの加算を算定することができますが、初回使用月から起算して3月を限度です。

1月入院で初回のバイオ後続品を投与。2月以降、外来でバイオ後続品を投与する場合

（入院）1月　　入院のため診療料とバイオ後続品導入初期加算の算定はない。
（外来）2月　　外来腫瘍化学療法診療料+バイオ後続品導入初期加算
（外来）3月　　外来腫瘍化学療法診療料+バイオ後続品導入初期加算
（外来）4月　　外来腫瘍化学療法診療料

　今回の記事は、レセプトを作成するうえで重要なところだけを抜粋してまとめました。通則、通知を読んだ後にこの記事を読んでいただくと理解が深まると思います。
　文字が多くて読むのが辛いかもしれないのですが、こちらの記事よりも詳しく解説している記事もあるので、こちらもよろしければご覧ください。