R5.10.1より、新型コロナウイルス感染症の患者の入院患者に対して算定できる点数が変更されました。
算定できる点数、選択するコードについてまとめていきたいと思います。
外来診療時に算定できる点数についても別の記事でまとめていますので、あわせてご確認ください!
救急医療管理加算2
新型コロナウイルス感染症の入院患者に対して算定できる「救急医療管理加算2」は3パターンあります。
算定要件、算定するコードについてまとめていきます。
中等症以上の患者
中等症以上の新型コロナウイルス感染症については、14日を限度として1日につき救急医療管理加算2の100分の200に相当する点数(840点)を算定できます。
使用するコードは
救急医療管理加算2(中等症以上)(特例)(10月以降) 840点
継続的に診療が必要な場合には、15日目以降も算定できます。その場合には、摘要欄に「継続的な診療が必要と判断した理由」を記載する必要があります。
この加算は、入院基本料又は特定入院料のうち、救急医療管理加算を算定できるものを現に算定している患者に限り算定できます。
また、この特例によらない救急医療管理加算との併算定が可能です。
呼吸不全の患者
中等症以上の新型コロナウイルス感染症患者のうち、呼吸不全を認める者については、14日を限度として1日につき救急医療管理加算2の100分の300に相当する点数(1,260点)を算定できます。
使用するコードは
救急医療管理加算2(中等症以上・呼吸不全)(特例)(10月以降) 1,260点
継続的に診療が必要な場合には、15日目以降も算定できます。その場合には、摘要欄に「継続的な診療が必要と判断した理由」を記載する必要があります。
この加算は、入院基本料又は特定入院料のうち、救急医療管理加算を算定できるものを現に算定している患者に限り算定できます。
また、この特例によらない救急医療管理加算との併算定が可能です。
施設外への入院等に係る特例
「施設などに入所している者※」が新型コロナウイルスに感染し、「リハビリテーション・介護サービスとの連携が充実した病棟※」に入院した場合、入院医療機関において14日を限度として1日につき救急医療管理加算2(420点)を算定できます。
使用するコードは
救急医療管理加算2(施設外入院14日)(特例)(10月以降) 420点
この加算は、上で示した中等症以上の患者、呼吸不全の患者に対して算定できる救急医療管理加算2と併算定が可能です。
二類感染症患者入院診療加算
新型コロナウイルス感染症の入院患者に対して算定できる二類感染症患者入院診療加算についてまとめていきます!
特定の入院料
下に示す入院料を算定する病棟で、感染予防策を講じた上で新型コロナウイルス感染症患者を入院させた場合は、図に示す二類感染症患者入院診療加算に相当する点数を算定できます。
初日については、新型コロナウイルス感染症を疑う患者についても算定できます。
その場合は摘要欄に新型コロナウイルス感染症を疑う理由を記載することとなっています。
その他の病棟の場合
上記の示した入院料または一類感染症患者入院医療管理料を算定する病棟以外で、感染予防対策を講じた上で新型コロナウイルス感染症患者を入院させた場合、二類感染症患者入院診療加算の100分の50に相当する点数(125点)を算定できます。
使用するコードは
二類感染症患者入院診療加算(入院感染対策)(特例) 125点
入院初日は、新型コロナウイルス感染症を疑う患者にも算定できます。
その場合は、摘要欄に新型コロナウイルス感染症を疑う理由を記載する必要があります。
二類感染症患者療養環境特別加算
上記の「その他の病棟」に該当する入院料を算定する病棟の個室又は陰圧室に新型コロナウイルス感染症患者を入院させた場合、二類感染症患者療養環境特別加算(300点、200点)が算定できます。
初日については、新型コロナウイルス感染症を疑う患者についても算定できます。
その場合は、摘要欄に新型コロナウイルス感染症を疑う理由を記載する必要があります。
入院中のリハビリ
入院中の新型コロナウイルス感染症患者に対して、必要な感染予防策を講じた上で心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料を算定する場合、1日につき1回、二類感染症患者入院診療加算の100分の20に相当する点数(50点)を算定できます。
使用するコードは
二類感染症患者入院診療加算(リハビリ)(特例) 50点
地域包括ケア病棟入院料等の、疾患別リハビリテーションに係る費用が含まれる特定入院料を届け出ている病棟においても、疾患別リハビリテーションを実施した場合には本加算を算定できます。
上記で示した「二類感染症患者入院診療加算(入院感染対策)(特例) 125点」との併算定も可能です。
回復患者の転院受け入れ
新型コロナウイルス感染症から回復した後、引き続き入院管理が必要な患者を受け入れた医療機関においては、いずれの入院料を算定する場合でも、二類感染症患者入院診療加算の100分の200に相当する点数(500点)を算定できます。
使用するコードは
二類感染症患者入院診療加算(転院)(特例) 500点
算定できる期間は、最初に転院した医療機関における入院日を起算日として14日間です。
14日間で再転院した場合には、再転院先の医療機関でも本加算を算定することができますが、起算日は最初に転院した医療機関における入院日です!
再転院して本加算を算定する場合は、摘要欄に最初に転院した医療機関における入院日、転院前の医療機関における本加算の算定日数を記載することとなっています。
入院調整に係る特例
新型コロナウイルス患者について、入院調整を行った上で、診療情報を示す文書を添えて患者の紹介を行い、診療情報提供料(1)を算定する場合、療養情報提供加算の100分の200に相当する点数(100点)を算定できます。
使用するコードは
療養情報提供加算(特例)(10月以降) 100点
DPC等で抗ウイルス剤の算定はできる?
DPCや薬剤が包括される入院料を算定する場合、新型コロナウイルス感染症に係る抗ウイルス剤の算定はどうなるのでしょうか??
通知が出ていますので、それぞれについてまとめていきます!
DPCの場合
新型コロナウイルス感染症の患者で、DPCにより算定する場合は抗ウイルス剤を別に出来高で算定できます。
薬剤が包括される入院料の場合
地域包括ケア病棟入院料や療養病棟入院料などの、薬剤が包括される入院料を算定する場合は、別途抗ウイルス剤を算定できます。
DPC等で検査の費用は算定できる?
DPCや検査の費用が包括される入院料を算定する場合、SARS-CoV-2核酸検出等※やSARS-CoV-2抗原検出等※の費用の算定はどうなるのでしょうか?
通知が出ていますので、それぞれについてまとめていきます。
※「SARS-CoV-2核酸検出等」・・・SARS-CoV-2核酸検出、ウイルス・細菌核酸多項目同時検出、SARS-CoV-2・インフルエンザ核酸同時検出、SARS-CoV-2・RSウイルス核酸同時検出、SARS-CoV-2・インフルエンザ・RSウイルス核酸同時検出
※「SARS-CoV-2抗原検出等」・・・SARS-CoV-2抗原検出、SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出、SARS-CoV-2・RSウイルス抗原同時検出、SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス・RSウイルス抗原同時検出
DPCの場合
DPCにより算定する場合に、SARS-CoV-2核酸検出等やSARS-CoV-2抗原検出等を実施した場合は、当該検査と判断料を別途出来高で算定できます。
特定機能病院の場合
特定機能病院に入院中の患者に対してSARS-CoV-2核酸検出等やSARS-CoV-2抗原検出等を実施した場合は、当該検査と判断料は基本的検体検査実施料には含まれないものとして、別に算定できます。
検査の費用が含まれる入院料の場合
検査の費用が包括される入院料を算定する患者に対してSARS-CoV-2核酸検出等やSARS-CoV-2抗原検出等を実施した場合は、当該検査と判断料を別途出来高で算定できます。
検査の費用が含まれる入院料とは?
・療養病棟入院基本料
・障害者施設等入院基本料(注5、注6に規定する点数を算定する場合のみ)
・有床診療所療養病床入院基本料
・救命救急入院料
・特定集中治療室管理料
・ハイケアユニット入院医療管理料
・脳卒中ケアユニット入院医療管理料
・小児特定集中治療室管理料
・新生児特定集中治療室管理料
・総合周産期特定集中治療室管理料
・新生児治療回復室入院医療管理料
・特殊疾患入院医療管理料
・小児入院医療管理料
・回復期リハビリテーション入院料
・地域包括ケア病棟入院料
・特殊疾患病棟入院料
・緩和ケア病棟入院料
・精神科救急急性期医療入院料
・精神科急性期治療病棟入院料
・精神科救急・合併症入院料
・児童・思春期精神科入院医療管理料
・精神療養病棟入院料
・認知症治療病棟入院料
・特定一般病棟入院料
・地域移行機能強化病棟入院料
・特定機能病院リハビリテーション病棟入院料
・短期滞在手術等基本料
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