R6の診療報酬改定で、生活習慣病管理料が1と2に分かれました。
改定内容と算定要件、疑義解釈などについてわかりやすく解説していきたいと思います!
生活習慣病管理料1
現行の制度で「生活習慣病管理料」がありますが、点数設定と算定要件が変更されています。
点数設定
現行の点数より40点引き上げられています。
生活習慣病管理料(Ⅰ) 月に1回
1 脂質異常症を主病とする場合 610点
2 高血圧症を主病とする場合 660点
3 糖尿病を主病とする場合 760点
糖尿病を主病とする患者(2型糖尿病の患者でインスリン製剤を使用していない者に限る。)に対して血糖自己測定値に基づく指導を行った場合は血糖自己測定指導加算として年に1回500点を加算できます。
「3 糖尿病を主病とする場合」を算定する場合にあっては、在宅自己注射指導管理料を算定しているときは算定できません。
管理料に含まれる診療行為
生活習慣病管理料(Ⅰ)には以下の点数が含まれますので、別途算定することはできません。
生活習慣病管理料(Ⅰ)に含まれる点数
・外来管理加算
・第2章第1部 医学管理等(糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料、慢性腎臓病透析予防指導管理料を除く)
・第3部 検査
・第6部 注射
・第13部 病理診断
・外来管理加算
・第2章第1部 医学管理等(糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料、慢性腎臓病透析予防指導管理料を除く)
・第3部 検査
・第6部 注射
・第13部 病理診断
生活習慣病管理料(Ⅱ)
今回の点数改定で新設された生活習慣病管理料(2)について解説していきます。
対象患者
生活習慣病管理料(Ⅱ)の対象患者は以下のとおりです。
入院中の患者以外の
・脂質異常症
・高血圧症
・糖尿病
を主病とする患者。
・脂質異常症
・高血圧症
・糖尿病
を主病とする患者。
生活習慣病管理料(Ⅱ)の新設に伴い、特定疾患療養管理料の対象疾患から、糖尿病、脂質異常症、高血圧症が除外されました。
家族性高コレステロール等の遺伝性疾患については特定疾患療養管理料の対象となります。
また、今回の改訂で特定疾患療養管理料の対象疾患に「アナフィラキシー」「ギランバレー症候群」が追加されました。
点数設定
月に1回に限り算定
生活習慣病管理料(Ⅱ) 333点
情報通信機器を用いた場合 290点
糖尿病を主病とする患者(2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していない者に限る。)に対して、血糖自己測定値に基づく指導を行った場合は、血糖自己測定指導加算として、年に1回500点を加算できます。
生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した日の属する月から起算して6月以内の期間は、生活習慣病管理料(Ⅱ)は算定できません。
管理料に含まれる診療行為
生活習慣病管理料(Ⅱ)には以下の点数が含まれますので、別途算定することはできません。
生活習慣病管理料(Ⅱ)に含まれる点数
・外来管理加算
・第2章第一部第一節 医学管理等(外来栄養食事指導料、集団栄養食事指導料、糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料、慢性腎臓病透析予防指導管理料、ニコチン依存症管理料、療養・就労両立支援指導料、プログラム医療機器等指導管理料、診療情報提供料(1)、電子的診療情報評価料、診療情報提供料(2)、
診療情報連携共有料、連携強化診療情報提供料、薬剤情報提供料を除く)
・外来管理加算
・第2章第一部第一節 医学管理等(外来栄養食事指導料、集団栄養食事指導料、糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料、慢性腎臓病透析予防指導管理料、ニコチン依存症管理料、療養・就労両立支援指導料、プログラム医療機器等指導管理料、診療情報提供料(1)、電子的診療情報評価料、診療情報提供料(2)、
診療情報連携共有料、連携強化診療情報提供料、薬剤情報提供料を除く)
生活習慣病管理料(Ⅰ)とは異なり、検査、注射、病理診断の費用は含まれません。別途算定可能です。
疑義解釈
生活習慣病管理料に関する疑義解釈をまとめていきます。
Q.生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)に、外来管理加算の費用は含まれるが、本管理料を算定した月において、当該算定日とは別日に診療を行った場合は、外来管理加算の算定は可能か?
A.外来管理加算の算定要件を満たせば可能。
Q.生活習慣病管理料(Ⅱ)について、「生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した日の属する月から起算して6月以内の期間においては、生活習慣病管理料(Ⅱ)は算定できない。」とされているが、同じ医療機関で生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する患者と生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する患者が同時期にそれぞれいる場合の取扱いは?
A.同一医療機関において、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する患者と生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する患者が同時期にそれぞれいても差し支えない。
Q.生活習慣病管理料(Ⅰ)について、「医学管理等(一部の管理料を除く)、検査、注射、病理診断の費用は含まれる。」とされているが、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した月に、当該算定日とは別に生活習慣病のために診療を行ったに、医学管理等、検査、注射及び病理診断の費用は算定可能か?
A.不可
Q.生活習慣病管理料(Ⅱ)について、「医学管理等(一部管理料を除く)の費用は含まれる。」とされているが、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定した月において、当該算定日とは別日に生活習慣病のために診療を行った場合に、医学管理等の費用は算定可能か?
A.不可
Q.生活習慣病管理料(Ⅱ)について、「生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定した日の属する月から起算して6月以内の期間においては、生活習慣病管理料(Ⅱ)は算定できない。」こととされているが、令和6年度診療報酬改定前の生活習慣病管理料についての取扱いは?
A.改定前の生活習慣病管理料を算定した時期にかかわらず、生活習慣病管理料(Ⅱ)が算定できる。
Q.生活習慣病管理料(Ⅱ)に規定する血糖自己測定指導加算を算定した後、1年以内に生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する場合、生活習慣病管理料()に規定する血糖自己測定指導加算を算定することは可能か?
A.不可。血糖自己測定指導加算を生活習慣病管理料(Ⅰ)及び生活習慣病管理料(Ⅱ)のいずれかにおいて算定した場合、生活習慣病管理料(Ⅰ)及生活習慣病管理料(Ⅱ)のいずれにおいても1年以内は算定できない。
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