【外来診療】新型コロナウイルス感染症に係る臨時的な取扱い

新型コロナウイルス

 新型コロナウイルス感染症が感染拡大し医療機関の受診が困難になっていることを踏まえて、電話や情報通信機器を用いた診療でお薬の処方や医学管理が実施できるようになりました。
初診、再診、医学管理、在宅医療、算定できる加算について解説していきたいと思います。

1.初診料ついて

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い医療機関の受診が困難になっているため、医師の責任の下で医学的に可能であると判断した範囲内で、初診から電話や情報通信機器を用いた診療により診断、処方をして差し支えないこととなりました(感染が収束するまでまでの間の臨時的な取扱い)(令和2年4月10日より適用)。

(1)投薬について

初診から電話等で診療を行い投薬を実施した場合の注意点をまとめています!

麻薬及び向精神薬の処方はできない。
診療録等で基礎疾患が把握できない場合は、処方日数は7日間を上限と
する。

診療録等で基礎疾患が把握できない場合は、※薬剤管理料の「1」の対象薬剤を処方してはならない。
※抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤(内服薬に限る)、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム用剤(注射薬に限る)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤、抗HIV薬

(2)外来診療について

 初診から電話や情報通信機器を用いた診療を行う場合は、[初診料(新型コロナウイルス感染症・診療報酬上臨時的取扱い):214点]を算定することとなっています。


 小児科外来診療料、小児かかりつけ診療料の施設基準を行っている医療機関で、6歳未満の乳幼児、未就学児に対して、初診から電話や情報通信機器を用いた診療を行う場合も上記と同様に[初診料(新型コロナウイルス感染症・診療報酬上臨時的取扱い):214点]を算定することとなっています(令和2年4月24日付)。

 また、その際、医薬品の処方を行った場合、ファックスなどで処方箋情報を送付する場合は、調剤料、処方量、処方箋料、調剤技術基本料、薬剤量を算定することができます。

加算について☆
「初診料(新型コロナウイルス感染症・診療報酬上臨時的取扱い)」に対して算定可能な加算を以下にまとめています(令和2年4月10日より適用)。

             診療行為               
乳幼児加算 〇 
時間外加算 〇
休日加算 〇
深夜加算 〇
時間外加算 〇
休日加算(小児科) 〇
深夜加算(小児科) 〇
時間外加算特例 〇
夜間・早朝等加算 〇
機能強化加算 ×

本取扱いで、処方料、処方箋料を算定する場合に併せて算定できる加算

       診療行為等         処方料   処方箋料  
麻薬等加算
乳幼児加算
特定疾患処方管理加算1,2
抗悪性腫瘍剤処方管理加算
外来後発医薬品使用体制加算
一般名処方加算1,2
向精神薬調整連携加算
紹介率が低い大病院30日以上投薬減算(40/100)

2.再診料について

 初診から電話や情報通信機器を用いた診断で投薬等ができることとなりましたが、再診も度同様に実施できることとなりました。電話や情報通信機器を用いた再診についてポイントをまとめたいと思います。

(1)投薬について

 初診時と同様に院内処方であれば薬剤料、調剤料、処方料、調剤技術基本料を、院外処方であれば処方箋料を算定可能です。
 既に対面で診察している患者と、初診時に電話等による診療を行った患者で認められる処方内容が異なります(令和2年4月10日付)。

(既に対面で診察され、2度目以降の診療を電話等で行う場合)
これまで処方されていた薬剤については処方可能
予測可能な症状の変化については、これまで処方していない薬剤を処方可能

(初診時に電話等による診療を行った患者で、2度目以降も電話等で診療を行う場合)
・初診時に電話や通信機器を用いた診療を行った患者は、患者個人の十分な情報によって診察が行われたものではないため、再度電話や情報通信機器を用いて診察した際も、十分な情報に基づいて診察を行えないと考えられるため、本取扱いの初診時と同様の処方を認める扱いとなっております。  つまり・・・


麻薬及び向精神薬の処方は不可
過去の診療録等により基礎疾患の情報が把握できない場合は薬剤管理指導料1の対象薬剤は処方不可
過去の診療録等により基礎疾患が把握できない場合は、その他の薬剤も処方日数の上限は7日間
となります。

(2)外来診療について

 慢性疾患等を有する患者等に対して電話や情報通信機器を用いた診療を行い、電話等再診料を算定します(令和2年2月28日から適用)。
 本来、電話等による再診を行った場合、外来診療料は算定できないこととなっていますが、医師が電話や情報通信機器で診察を行った場合、外来診療料が算定できることとなりました(令和2年3月2日から適用)。その際、摘要欄に電話等による旨と当該診療日を記載する必要があります。

☆加算について☆

本取扱いの「電話等再診料」「電話等外来診療料」に対する加算

診療行為等電話等再診料
(R2.2.28~適用)
電話等外来診療料
(R2.3.2~適用)
乳幼児加算
時間外加算
休日加算
深夜加算
時間外加算(小児科)
休日加算(小児科)
深夜加算(小児科)
時間外加算特例
夜間・早朝等加算
外来管理加算×
明細書発行体制加算
     地域包括診療加算1・2    ×
認知症地域包括診療加算×

本取扱いによる「処方料」、「処方箋料」に対する加算

診療行為  処方料    処方箋料  
麻薬等加算
乳幼児加算
特定疾患処方管理加算1・2
抗悪性腫瘍剤処方管理加算
外来後発医薬品使用体制加算
一般名処方加算1・2
向精神薬調整連携加算
紹介率が低い大病院30日以上投薬減算(40/100)





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